ごあいさつ
この度、令和4年9月9日~11日の3日間にわたり、市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)において、第46回日本自殺予防学会総会を開催することとなり、現在鋭意準備を進めております。長引くコロナ禍において、改めてメンタルヘルスの重要性が注目される中、同学会が熊本の地で開催されることを大変光栄に存じます。
ご承知の通り、わが国における自殺者数は平成15年の34,427人をピークに徐々に減少し、令和元年には20,169人となり、いよいよ2万人を切る時代を迎えようとしていた矢先、世界的なCOVID-19パンデミックに見舞われ、わが国の自殺者数も11年ぶりに増加に転じてしまいました。一方、熊本県においては、従来から山間部の県境地域で自殺率が高く、我々は平成20年から球磨郡あさぎり町において高齢者のうつ病予防に取り組んでいます。熊本大会では、こういった全国の各地域で実践されている自殺予防の取組みについて皆様と共有したいと考えております。さらに熊本は平成28年の熊本地震、令和2年には人吉・球磨地域の豪雨災害に見舞われており、今大会では災害に関連したメンタルヘルス支援についても取り上げる予定です。
コロナ禍においては、若者と女性の自殺者の増加が指摘されている一方で、高齢者の孤立も一層深まっています。熊本は従来から老年精神医学のさかんな地域でもあり、今回は若年者だけでなく、改めて高齢者の自殺予防にも目を向けてみたいと考え、大会テーマを「地域における自殺予防の取組みと実践-若年者から高齢者まで-」と致しました。実践という言葉は理論とともに用いられることが多く、自殺予防のような社会的活動は必ずしも理論が先行していなくても、身近なこととして持続的に普及していくことが望ましく、より間口を広げる意味で、敢えて取組みという言葉も盛り込みました。地域に根差した、いろんな人との協働が重要だと常日頃から感じています。
熊本地震からの復興のシンボルである熊本城も、昨年には天守閣の復旧が完了しました。城全体の完全復旧はまだしばらく先のようですが、「2021年4月熊本城天守閣完全復活」で検索すれば、現在の復旧状況をご覧いただけます。お城は学会場からすぐ目と鼻の先のところにありますので、是非とも足を運んでみて下さい。
ホームページにて順次情報をアップしてまいります。旧所名跡が多く自然豊かな熊本の地で、皆様とお会いできることを、くまモン共々楽しみにおりますので、どうぞご参加くださいますよう心よりお願い申し上げます。
熊本大学保健センター 藤瀬 昇